いろんなクワカブショップが一斉に生体販売のセールを行っています。
今年飼育する成虫を購入するならセール中の今がチャンスかも?って思っておられる方も多いかと思います。
でも。
本当に今がお買い得なんでしょうか?
よく見れば通常販売価格(相場)と変わらない価格でセール販売している・・・なんてことも。
セール中だから「安い」「お買い得」とは限らない場合もありますよ^^。
最近では、販売されている外国産種のクワガタやカブトの種類も多く、さらに産地別となるとワイルド(野外天然採集個体)の価格だけでも「種類が多くて相場がわからないよう・・・」って方も多いと思います。
さらに、外国産種は近年国内繁殖、現地(海外)養殖も行われていますので益々相場がわからない・・・そんなことはないですか?(笑)
ヘラクレスやネプチューンが高級ビートルと呼ばれた時代はすでに過去のもとなっています。
今では、基本的に何万円もするような外国産のクワガタやカブトムシは皆無といっても過言ではないでしょう。
※ハッキリ言って何万円もするクワガタって国産オオクワガタくらいなものです。
1999年の外国産種輸入解禁から2004年くらいまでの5年程度は、珍しさも手伝って需要が供給を大きく上回る種類が数多く出ました。
人気のアンテやグランディスといった一世を風靡した外国産オオクワガタや艶系のキレイなクワガタ、さらにヘラクレスやネプチューンなどの大型カブトは、累代養殖モノでも1万円以上で取引、販売されることも珍しくはありませんでした。
ところが、良くも悪くもこれら高値の付いた人気外国産種のほとんどが、実は国産オオクワガタのような希少種ではなく、現地では簡単に多く捕れることから天然物の輸入が一気に増え、それと共に国内でも簡単に飼育、養殖できる事から一気に個体数が増え、価格が暴落してしまいました。
※現地ではこんな虫がお金になるの?そこら辺にイッパイいるよ・・・って感じなのです(笑)
ですから、今ではショップも品余りに手を焼くような状態です。
と言う背景からか、今年はどこのショップもセール、セールの大安売り^^。
なので、通常は、このように安い時が「買い時」であり「お買い得」なのですが、外国産クワカブブームもカードゲーム「ムシキング」ブームと共に去ってしまった今となっては、この価格が通常価格とも言えます。
さらに今後しばらくはまだ外国産種の価格は天然物も含めて下がり続けるものと思われます。
ところが、これと相反するように国産オオクワガタの価格は上昇しています。
これは、私が数年前からメルマガでもお伝えしていたように国産オオクワガタを扱っていた業者が、外国産輸入解禁を受けて、簡単に儲かる外国産種に鞍替えをしてしまったことも大きな要因と言えます。
なぜなら、これも以前メルマガでお伝えしましたが、国産オオクワガタの1次業者とは、基本的に採集屋です。
2次業者がいわゆるプロブリーダー。
で。小売の販売店が3次業者といえます。
数年間、国産オオクワガタの採集や養殖を止め、外国産種の養殖に走っていた1、2次業者が外国産種が暴落したからといってスグにまた国産オオクワガタに戻ることは難しいと言えます。
って言うか、実際には非常に厳しいでしょう。
いろいろな要素はココでは割愛しますが、天然の国産オオクワガタがここ数年、業者間で不足しているのは間違いありません。
プロ集団ですから偽天然物個体はスグに見破られますからね(笑)
従ってF1の流通も不足しています。
ただ、国産オオクワガタの価格は、外国産種の輸入解禁後も安定していますので累代飼育モノの国産オオクワガタの場合、外国産種の暴落で高くなったように見えますが、実はほぼ変わっていません。
特に人気産地モノの型の良い個体は相変わらず根強い人気に支えられています。
ですので、国産オオクワガタの天然物(ワイルド)は数年前から価格急騰、F1も価格上昇気味ですが、累代飼育個体は、一部の人気血統を除けば、あまり変わっていません。
ただ、菌糸ビン飼育で累代飼育しているブリーダーがほとんどですので、いずれ累代が進めばどんどん弱い個体になって行きます。
従いまして、販売する為に国産オオクワガタを養殖しているプロブリーダーは、基本的に毎年、天然物又はF1個体を仕入れなければなりません。
しかし、このような現状では、天然物の価格が上昇しているどころか、入手自体が難しく、なんとかF1をかき集めるような状況ですので、今後は累代血統と言えども価格が上昇する可能性はあります。
このように、外国産クワカブの輸入解禁から10年が経ち、クワカブ業界も外国産種に振り回された感は否めませんが、結局と言うか最終的にはやはり国産オオクワガタが一番希少な安定して人気のあるクワガタと言えるのではないでしょうか。
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